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やっぱり行ってよかった。これで71歳か。すごいぞ、Sam。高いチャージ払って見に行った甲斐がありました。
会場は立ち見も出る満員で、おお盛り上がりの120分。
たっぷり堪能しました。
バックは、4リズムにパーカッション、ホーン4管に女性コーラス2名の総勢11名。
トロンボーンとバリトン・サックスは日本人らしいが、久々の4管。嬉しいねー。やっぱりソウルはこうでなくっちゃ。しかも、バリトン・サックスだ。考えてみるとソウル・バンドでもバリサク見なくなって久しいな。Samさんの希望だろうかなんて考えたりして。バンド・サウンドはもちろん、例によって新しめ(16ビートの方が得意)だったが、Sam Mooreの歌を尊敬し大切にしている感じは十分に感じられ、その点でとても感じ良かった。
この日の演奏曲は、ちゃんと書きとめたりはしなかったので、順序など定かではないけれど、ブルーノート東京のwebに掲載されていた初日の演奏リストを元に思い出しつつ書いてみると、多分以下。初日との違いは、冒頭インストとDon't Play That Songが加えられていたのと、飛び入りがあったため、Soul Sister, Brown Sugarがメドレーに組み込まれていたことぐらいだろうか。
ステージ中盤の * は、新録のアルバム掲載曲だ。これら新曲たちについては、さすがのSam爺さんも歌詞カンペ見ながら歌ってました(笑)
最後のYou Are So Beautifulは、亡きビリー・プレストンに捧げられた。Samの奥さんであるマネージャーもコーラスに加わって全員で追悼。
1. Back At The Chicken Shack (inst)
2. Soul Finger (inst)
3. Peter Gunn (inst)
4. Hold On, I'm Coming (inst+Samが登場して一節)
5. Knock On Wood
6. Come On, Come Over
7. Rainy Night In Georgia
8. None Of Us Are Free *
9. I Can't Stand The Rain *
10. Blame It On The Rain *
11. Ain't No Love *
12. Tell Mama (Elaine Caswell)
13. Crazy (Calloway)
14. Don't Play That Song (Sam & Callaway)
15. I Can't Turn You Loose
16. When Something Is Wrong With My Baby
17. I Thank You (忌野清志郎飛び入り)
18. Medley: Soul Man〜 Dance To The Music〜Soul Sister, Brown Sugar(ゴスペラーズ飛び入り)
19. You Are So Beautiful *
バンドによるインスト演奏3曲の後、Hold On, I'm Comingにのって登場したSam Mooreさんは、私が勝手に想像してたより小柄で、一昨年、Denise LaSalleの登場時と同じく、またしても思わず『あ。お爺さんになってる…』。しかし、歌い始めた途端、声はハリがあってしっかり安定してるし、何と言っても、ずっと聴きなれてきた“あの声”なんだもの。感動して思わずこみ上げてくるものが。
こういっちゃなんだが、往年の大御所たちが来日すると、脚が悪そう、心臓が悪そう、糖尿病とかありそう…、とついつい健康状態を心配してしまうことが多いのだが、今回のSam Mooreさん、歳はとってもお元気そうで、それもまた嬉しかったことの1つ。
『シャウト系ソウル・シンガーの公演、ましてや年のいったシンガーの場合は初日に見るべし。』が持論だったのだが、都合で結局、5日目の最終公演にすべり込むことになって、御大の体調なども含めちょっと心配していたのだが、第一声でその不安も一発解消。さすがに最初の1〜2曲は小さい咳をしてたりしたけど、歌には影響なし。さすがに序盤は、聴きなれた曲でも、どちらかというと、往年のハイ・トーンは少なめ、低いラインを選んで辿っていたので、喉が暖まるまでは様子を見ながらだったかな。とはいえ、最後の最後のメドレーでは、Samさんらしいラインが復活、炸裂していた。他の日はどうだったんでしょう。ツアーの最終日、というのは、いわばちょっと特別で、疲れが溜まってるか、最後だからってハジケちゃう、のどちらかになることが多いのだが、今回は最終日で正解だったように思う。比較はできないけど、この日Samさんもかなり興奮気味に見えました。時間も他の日より長かったんじゃないの ?
個人的に、この日一番印象的だったのはNone Of Us Are Free。ほぼアカペラに近い状態でシンプルに歌い出し、すごくスピリチュアルな雰囲気、胸にズシンと来た。
Rainy Night in Georgiaも、以前取り上げたRhythm Country and Blues でのConway Twittyとの名唱を思い出した。
この曲のほかにも、バラードでは、オフ・マイク唱法で声のもつ力と実力を見せた。歌い終わると会場からは一斉に溜め息があがり、その後、割れんばかりの拍手と歓声。この時代のシンガーたちは、まずはナマで声の世界を作り、そこにマイクを差し入れて音を拾う、という歌い方をする。こういう歌い方をする人を久々に見られたのが私には大収穫。最近のシンガーたちは、初めからマイク/PAありきで、ライブ・ショーでのパフォーマンスで鍛えられた歌、というより、CD制作上きれいな音で録音することを主眼とした歌い方をする人がほとんどだからだ。そういう人たちは、声量があるからとオフ・マイクで歌ってみせることもあるけれど、ナマの声自体にダイナミクスがないので、ただ声が出るだけで歌としては平坦、技術の見せびらかしにしかならないことが多く、感動するどころかかえって見世物的で白けることすらある。今回、Sam Mooreを近くで見たかったのはこの辺のこともあったので、キャリア・実力ともに十分な御大の歌う姿を実際に確認できて大満足。
実はこの日のコーラスで入っていたCallawayなど、弱冠15歳というまさに若い世代で、マイク使いや声の入れ方などはまさにそんな感じ。テクニックもあり、声のハリも艶も良く、声量もあってかなり魅力的な声を持っているのだが、ソロで歌ったCrazyはちょっと物足りなさが残った。とはいえ、もう1人のコーラスElaine Caswellの力みがちの歌よりはストレートで好感が持てたし、何しろ、まだこんなに若いんだからしょうがない。加えて、SamとのデュエットDon't Play That Songでは、かつてのソウルの世界にあった古い声を使おうとてる感じが見えて、順応性が高いとみた。『初めて会った頃、あなたは、たったの17歳だった』っていう歌詞を15歳の彼女が71歳のSamに歌いかけるに及んでは、「seventeenじゃなくてseventyの間違いじゃないの ? 」って思わずツルっと突っ込み入れそうになっちゃうほど、自然に歌に馴染んでましたね。
ということで、気になってちょっと調べてみたら、彼女は今年(2006年)、テキサス・オースチンでのSXSW・ミュージック・フェスティバル、ニュー・オリンズのJazz FestivalでSam Moore と共演しているらしい。さらに、Bonnie Bramlettの 新録CD "Blues, Roots and Jazz"には、あのIkettesとともにコーラス参加しているとのこと。 今回のコーラス中にも、古いソウルに対する愛着の片鱗みたいなものも垣間見えたので、現在の彼女のクレジット・ジャンルは“Pop, Progressive Rock ”となっているが、ここはひとつ、是非ソウル〜R&Bの世界へ進んで欲しいなぁ。しかし、プログレってこれも今さら(爆)。ギターも弾くらしいが。
今回のツアーのショウアップの仕掛けとしては、 Blame It On The Rain で何人かのお客さんにもマイクを渡して歌ってもらうコーナー(2〜3人の普通のお客さん(笑)の後、半分仕込みか ? 最後にBrenda Vaughnが進み出てマイクを受け取り客席から完膚なきまでに歌い倒した)と、 I Can't Turn You Looseでのエンディングのチェイサー(一旦終わったと見せかけて、またいきなり曲をスタートさせる付け足し)。 「You want more?」と客を立たせて7〜8回はやったんではないだろうか。バンドのメンバーの表情から推察するに、いつもなら基本的には3回ぐらい、というところを、この日のSam爺さんは上機嫌で止まらない、という感じで何度も繰り返した、のでは ? よくあるチェイサーではあるが、今回のこれは長かった(笑)。Sam爺さんが嬉しそうで、見てるこっちも嬉しかった。
そして、最終日ゆえのことなのか、忌野清志郎さん、ゴスペラーズの飛び入り。
手術を無事終えて現在自宅療養中の清志郎さん、『26年前に共演したyoung manが来てる』と紹介されて登場するも、髪は坊主だし、ノーメイクで最初は誰だか分からないぐらいだった。けれど、促されて一声二声歌った声は、まさにあの声。『あーー。声、残ってるんだ。』とジンと来た。しかも、I Thank Youに乗せて、いつものあの調子で、『だってオレタチはサムのことが大好きなんだぜえ。』と決めたもんだから、もちろん、観客総立ちで暖かいスタンディング・オベーション。この日の清志郎さんは、もちろん体調のこともあるだろうけど、明らかにSam Mooreの一ファン、としての立場を貫き、それ以上はマイクも固辞してたけど、頬はポッと上気して終始照れくさそう、少年のような顔をしていた。音楽を好きでたまらない感じが見えてすごくすてき。頑張ってください。復活を心からお祈りしています。
ゴスペラーズは、もちろんソウル・ファンではあるのだろうが、今回は半分、仕込みも入ってたか ? ポケットからちゃんと歌詞カード出して歌ってました。
今回、ブルー・ノートにしては、静かすぎず騒ぎすぎない観客マナーもよかったな。“ショーが始まるやいなや、わけもわからず観客総立ち”、みたいな世界には常々ウンザリなのだが、今回は、Samさんの登場時、I Can't Turn You Loose、清志郎さんの登場時のスタンディング・オベーション以外は、みんなゆっくり座ってじっくり楽しむという感じ。それでいて、ワイワイ、キャアキャアととコール&レスポンスには答えるというリラックスした熱気もあってバランス良し。しかし、私はといえば、後方の席だったゆえ、I Can't Turn You Looseでの総立ち状態の中、突然前が見えなくなったため椅子の上に立ちあがり、ただちに店員に引きずり降ろされた。すみません。マナーが悪かったのは私でした(爆)
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