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ディープ・ソウル・シンガーLEOの音楽日記
YOU'LL LOSE A GOOD THING / Barbara Lynn (ITP/2006)
You'll Lose A Good Thing折りしも、ちょうど一昨日、女性ブルース・ギタリストとの初顔合わせという機会を得て、bluesをお題にしたライブでBarbara Lynnの曲を何曲か歌ったばかりである。
ブルースについては、今だ迷いのある私であるが、それについては本サイトの3/4ライブ・レポートでしこたま述べたのでここでは触れない。ただ、バーバラ・リンは、私にbluesの世界への入口となってくれた人であり、よく言われる表現であるが、その何とも言えず独特な、スモーキーでブルージーな声をもつ彼女は、この種の音楽を最初に聴き始めた頃から、ずっと私のアイドルである。

 1961年にEricからシングル・デビュー、1962年、弱冠20歳の時に、このCDのタイトルともなっているYou'll Lose A Good Thing (Jamie) で全米R&Bチャートで第一位(ポップチャートで第10位)を獲得、一躍有名になった彼女。その後、Atlanticでの2枚目のアルバムを出したところまでは順調だったのだが、その後は私から見るとちょっと不遇で、あちこちのインディーズを転々としている。とはいえ、ギターを弾けるシンガーは強い。ギター1本持ってどこででも演奏できる感じで、どちらかというと、その間は、ブルース・シンガーのような活動をしていたようであるが、その分、どの時代にどんなローカルなところから出したアルバムでも、彼女の歌と演奏自体はいつでも“現役”である。

Until Then I'll Suffer さて、今回のCDは、彼女のアルバムがちょっととぎれた隙間ともいえる1996年にITPレーベルから出されたUNTIL THEN I'LL SUFFERというアルバムのリイシュー。内側にオリジナルCDの可愛い寝そべるBarbara の写真も。残念ながら、端モノというか(Barbara、ごめん)、バック・メンバーのサウンドはチープではあるが、You'll Lose A Good Thing、This Is The Thanks I Get、(Until Then) I'll Suffer、You're Gonna Need Meなど、彼女自身の曲の別テイク(※注)が聴けるのと、個人的には、ソウル有名曲のカバーが取り上げられているのが特徴だと思っている。

 最初に偶然この1996年盤のアルバムを手にした時、Forever(モータウンのMarvelettes) やら、Let's Stay Together(Al Green)やら、I'd Rather Go Blind (Etta James)やら、のラインアップに、カバーするにしても、何とまあ、私と趣味が同じことか、とびっくりしたものだ。というより、ファンとしては同じようなものが好きだなんて異常にウレシイ。

 古くはモータウンのMoneyとか、エルヴィス・プレスリー(←彼女のティーン・エイジャー時代のアイドル :彼女はエルヴィス熱にうかされてギターを弾き始めたらしい)のDon't Be Cruel、来日公演で歌ったI'm I Love (Wilson Pickett) 、Sweet Sixteen (B.B.King)など、有名曲のカバーも気軽に取り上げるBarbara Lynnだが、この人の場合、どの曲も完全に“バーバラ節”になるのが凄い。彼女の大ファンである私は、彼女の曲を取り上げてる機会が多いが、その私にして、バーバラがカバーした曲を下敷き(つまり、カバーのカバー/笑)に歌うのは、全く無駄と思ってしまう。そのくらい圧倒的に、その歌い節は彼女が歌ってこそ意味があるとしか思えないのである。彼女が歌うと何とせつなくなることか。くもった湿りのあるせつない翳り。

 別のところでも書いたが、彼女は結構、不器用な人である。歌の音程なんかも何だかヨレヨレする時もある。でも、それもひっくるめて、人に心を開かせる歌声を持っている。このカバー曲を多く含むアルバムでは特にそれが強く意識されるはず。興味のある方は是非。
今回は、何と、Charles BrownのMerry Christmas Babyのボーナストラック付きです。
初聴♪とはいえ、ギターは明らかに別人です(泣)。

※Barbara Lynnについての私のあれこれはコチラ

※完全ではないけど、Barbara Lynnのアルバム一覧はコチラ

※くだらない話で恐縮ですが、今回、このCDを手に入れるための私の奮闘ぶりについては前日記↓をご覧下さい。

YOU'LL LOSE A GOOD THING (ITP/2006)

1. Somebody Please
2. You'll Lose a Good Thing [rare live version] (※注)
3. Darlin Forever
4. I'd Rather Go Blind
5. What Now
6. This Is the Thanks I Get
7. Tonight Is the Night
8. To Get You Back Again
9. Until Then I'll Suffer
10. Let's Stay Together
11. I Like the Way You Love Me
12. You're Gonna Need Me
13. Merry Christmas Baby (bonus track)

 
(※注)このrare live versionという言葉で、彼女のライヴ・テイクだとダマされてはいけません(笑)
1997年のBear Family盤Promise同様、人工拍手と歓声をmixしたもの。

★このアルバムはBarbaraの亡くなったご主人に捧げられています。切ない。
バーバラ・リンのCD獲得に奮闘するの巻
 今年の1月中旬だったか、私の大好きなバーバラ・リンさんの見なれないジャケットのCDをネットで発見した。 画像を見ると、背景にあるのは、どうやら2枚目のLP(Atlantic盤)のジャケットらしく、その前面に見たことのない写真が…。その時点で情報ページには、2006年12月発売、USA盤、ということの他は、レーベル名や収録曲名なども書かれてなかったのだが、新譜を出した、という話は聞いてないし、タイトルはYou'll Lose A Good Thing(彼女の代表作)だし、多分、よくあるコンピレーション盤だろう、と思っていた。でも、もちろん買うのである。あちこちで書いているように、私はコレクターではないが、Barbara Lynn、Irma Thomas、Bettye Swannの3人のアイドルに限っては、コンピ盤だろうが、ジャケ違い盤だろうが、シングル盤だろうが、見たことのないものを見つけたら買う。

 念のため (というか価格比較のため/笑)、他の通販サイトも巡ってみたが、国内では他に出しているところがなかったので、『5〜9日でお届け ? 上等。』、ポンッとカートに放りこみ、サイン・インして、注文。パソコンでのCD購入は、普段なかなかお店にCD買いに出かけられない私としては、実に便利。あとは到着を待つばかりだもの…と、それ以後、忙しさに取り紛れて、そのことはすっかり忘れていた。

 と、2月上旬になって、件のサイトから 『お届け予定を過ぎていますが、お取り寄せ処理を継続しますか、キャンセルしますか』、というメールが来た。 『もちろん、買うわよ。欲しいから頼んでるんじゃないのよ。ブツブツ…』 と悪態つきながら、またキーボードをポンっ。コンピ盤なんて、焦って聴く必要もないし、のんびり待てばいい、と思って、そのことについては再びすっかり忘れた。

 さて、いつの間にか3月。
『バーバラ・リンの見なれない青いジャケットのCD売ってるの見ました〜。Let's Stay Together なんて歌ってます。コレは何でしょう ? 』 なんて情報が飛び込んで来たので、その方に、『もしかして、I'd Rather Go Blindなんかも入ってます ? 』と伺ってみたら、『そうです』 ということで、どうやらこれは、コンピ盤ではなく、1996年にI.T.P.という訳のわからんレーベルから出ていた“Until Then I'll Suffer”のリイシューでは ? と気づいた。まあ、これも持っている。でもジャケ違いだし、これはちょっと珍しいので2種類持っているのも結構嬉しいかも、注文済みだしさすがにそろそろ届くだろうし、いよいよ楽しみじゃん、と思いつつ、『明日、買いに行ってきます〜』の友人の言葉に、『先を越されるのはちょっと残念だけど、ハイハイ、行ってらっしゃーい』 と余裕しゃくしゃくの私だった。

 そして、昨晩である。またメールが来た。おっ。いよいよ発送の通知か ?
とんでもない。今度は、何と 『 入荷遅れ。状況 : メーカーの在庫切れ』 である。
はぁーーー !? 在庫切れ !? どういうことなのよ!?
サイトの情報ページは今だ “5〜9日でお届け” のまんまである。
血圧が一気に上昇。沸騰寸前である。焦って、他のサイトを含めて探しまくると、どうやらあちこちに掲載されているが、いずれも3〜5週間、とか到着にはかなり時間がかかるようなことが書いてある。マズイ。これは本当にマズイ。通販での購入では前にも一度あったが、こういう時は素直に待ってたりなんぞすると、手に入れられない可能性大である。あまりにも興奮してしまったので、ようし、ここは1つ気持ちを落ち着けて、明日冷静に対策を練ろう、ということにしてとりあえず寝た。

 そして今日である。昼を過ぎた頃から、そのCDを手に入れられないかもという心配が、突然襲ってきて、いてもたってもいられなくなってしまったのだ。もう強迫観念じみている。ということで、それまでやっていたことを全て放置して、突然、街のCD屋に買いに出かける英断を下した私。

『大丈夫 ! 往復1時間あれば、買って帰って来られる ! 』 と自分を励ましながら、めまぐるしく頭を働かせ、
『えーーーと。一番近いのは…最寄りのTレコードだッ ! 』 とTレコードに駆け込む。
探すのももどかしく、カウンターでお兄さんに
『あのーー…ハァハァ(息切れ)…去年の暮れに出たばかりのバーバラ・リンのCD、…ハァハァ…、ありますかっ!? 』
『お調べしますね〜。あ。ありました。一応、国内在庫があれば2〜3日でお取り寄せになりますが、どうなさいますか ? 』
『く、くださいッ。取り寄せ、お願いします ! 』
『それでは、念のため、在庫確認します。……………あれ ? すみません、これ、国内在庫が切れているようですし、メーカーの生産中止、廃盤になってますねぇ』

えッ !????????????????? 血の気が引いた。
これはマズイ。いよいよマズイ。きっと皆が探してるんだ。それとも限定プレスなのか ?
ほとんど譫妄状態な私。

急いでTレコードを飛び出し、電車に飛び乗り、最後の手段で次は新宿DUだ。
さすがに午後の昼下がり、店内は入口でハコを漁る男性客が1人と店員さん2人。
その男性客を押しのけるように奥へ突進して、棚を一瞥。ダメ、見つからない ! ヤバイ ! またまたカウンターに飛びついて、
再び、『…ハァハァ…バーバラ・リンのCD…ハァハァ…』の繰り返し。

……ありました♪ 無事購入♪
(※このアルバムの紹介については後ほど次の日記で。)

お会計中、ようやく一息ついて、さあ、あとは急いで帰るのみ、とふっと気づいたら、先ほど店に駆け込んだ時に、入口で私が押しのけた男性がこっちを見てニコニコ笑っている。

何と、昨年秋にLEODUOライブでお世話になった渋谷のsoul/blues bar 『BH』 のマスターHさんだった。
ひぇーーー。気づかぬこととはいえ、何とご無礼なことをーーーーー。m(_ _)m
醜態を一部始終見られてしまったことに動揺したまま、
『…う、あ、あ、Hさん !? …あ、あのッ、私、バーバラ・リンのこのCDがどうしても欲しくて急いで買いに来ちゃったんですッ。これ、もう廃盤だそうなんですッ。結構、面白い盤なんですッ。す、すみません、急いでますんで、これで失礼しますッ ! また、よろしくお願いしますッ…』 と、訳のわからないことを矢継ぎ早に口走って、走って店を飛び出した私であった。

あ゛ー。Hさん、さぞかし、変なヤツだと思われたでしょうね。
いつもこんなじゃないんですが。たま〜にこんなことが。うーーん。やっぱり、今になって自分で振りかえってみても、今日の私は完全に変な人。とても申し開きのできたもんじゃありませんでした。本当に失礼致しました。

※バーバラ・リンさんを無事購入のお祝いに、ついでに、これは定番でしょうと思ってた公民権運動のコンセプトでくくった今月出たばかりのコンピ新譜(曲は新しくないけど/笑)
『 A Change Is Gonna Come -The Voice of Black America - /various /KENT (2007) 』もパッと掴んで購入。
聴いてみて良かったら詳細は後日。今日はホントに疲れたので !