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ディープ・ソウル・シンガーLEOの音楽日記
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SIMPLY GRAND / Irma Thomas (2008)
 Irma Thomas 8月に出た大好きな アーマ・トーマス の2年ぶりの新譜。予約購買までして発売日に入手していた割には、例によって忙しくて聴く時間が全くなく、2ヶ月もたってしまいました (>_<)

その名も SIMPLY GRAND。直訳すれば
“とにかく素晴らしい” っていうことね。
Grandに“グランド・ピアノとの共演”というコンセプトの意をかけてあるところが素敵。
ちなみに中ジャケ写真に映っているピアノは YAMAHA だわ(笑)

そして、前作に続き、今回も垢抜けたジャケットデザインで、とても67歳とは思えない美しいアーマさま

   ■SIMPLY GRAND / Irma Thomas (Rounder 2008)

何しろ、今や彼女は押しも押されぬ“グラミー受賞シンガー(コンテンポラリー・ブルーズ部門)”である。
受賞後初となる今作は、『ゲスト・ピアニスト12人を各曲ごとに迎えた豪華アルバム』
これがこのアルバムのセールス文句だったりするし、ここまで目にしてきた大方の評も好評だったのだが、根が疑り深い私は、そんな噂を聞きながらも、こんなタイミングだし、もしやちょっと企画物なんじゃないかとうっすら危惧しちゃったりもしていた。

まずはサラっと一聴しての第一印象。
『わ。前作の AFTER THE RAIN とそっくり。新作と言うには少々安直、商売的には常道だけど、しばらく柳の下で次のどじょう探してみようかという作戦???』
プロデューサは Rounder に入ってからずっとアーマと二人三脚でやってきた Scott Billington。
その彼がライナーの中で前作に触れてこんなことを書いている(概略)。
『 前作 AFTER THE RAINで、私とアーマは、ありきたりのR&B的アプローチを止め、シンプルに歌を大切にするような形のものを作ろうと決めた。何より彼女の声の豊かさ、歌の素晴らしさが最も輝き前面に出るように。』

そう! そう! そうなのよ!
これこそ、まさに私が AFTER THE RAIN を聴いた瞬間に圧倒的な衝撃を受け、鳥肌立てつつ思わず背筋を伸ばして正座して謹聴した後、拍手喝采、狂喜乱舞した理由であった。
AFTER THE RAIN は、それほど、従来のアルバムから比べてずば抜けて画期的、彼女の歌の世界をの独特な精神性と豊かで深い声の素晴らしさがあますところなく表現していた。こんな音の作り方もあったのか、いや、彼女においてこそ、こうあるべきだったのだと感動、グラミー受賞も納得と思っていた。


グラミー受賞というのは相当なオオゴトなのは想像できる。どのくらいスゴイことなのかは、体験したことがない私には本当にはわかってないわけだけど(爆)、受賞が決まった時のエピソードからもその時の様子は目に浮かぶ。
その大事件を経てから今作の実現までにあたり、実際にはどんなことがあったのかわからないけど、今までとは違う方面から今までと違うレベルでの色々なオファーや提案があったことは想像に難くない。ゲストプレーヤーの多さから、そんな流れを受けてのお祝いがらみ(?)の企画作品かも、と思っていたのである。
ということで、もっと派手なメンバーかな、なんて想像もしていたりしたが、起用されたプレイヤーたちは、意外や意外、New Orleansの人たちがほとんどで、やっぱりホーム・タウンに戻ってじっくりか、と、その点についてはちょっと嬉しかったりして。

さて、12人のピアニストをゲストとしてフィーチャーしてそれぞれにつき1曲ずつ( Dr. John と David Torkanowsky のみ2曲ずつ)。ピアノと歌だけ、または最小限の小編成でアーマの歌を聴かせる、というのが本作のコンセプト。
今回はピアノでくくった前作の続編みたいなものだが、この謳い文句から、この新作のスタイルに私が期待し、是非とも聴き取れたらいいなぁと興味を持っていたのは、
・それぞれのピアニストの個性の違いに応じた選曲/アレンジが企画されているのか。
・そして、その基準はどうやって、そして誰が決めたのか。
・このような特別に意図されたスタイルによって、もしかして今までに聴いたことのない新しい Irma の歌の世界を発見できるのか。

私の耳が鈍いのだったらゴメンナサイだが、まず全曲通してサーっと軽く聴いた段階では、私には、ピアニストによる違いが1曲ごとに際立つ印象というものではなかった。もちろん1曲ずつちゃんと聴けば違いはあるし、曲のタイプも多様ではあるのだが、1曲ごとに違うピアニストを起用してそれぞれで違うことをやってみようというような音楽的理由はなかったみたい。残念。 (>_<)
とはいえ、アーマの歌の個性を軸とした彼女のアルバムであるわけだから、“ Irma Thomas が全編ピアノで歌うアルバム”という点ではトーンが統一されている、とも言えるわけだけど。

その理由をぼんやりと考えながらピアニストを一覧してみると、この多くの人たちが、それぞれご本人たちも歌を歌ったりするフロント・プレイヤーのピアニストたちが多いこともその一因であるかもしれない。いわゆるバッキングのプロフェッショナルであるピアニストではなく、自分の歌のためにピアノを弾き音楽を作り上げてきた人たちだからだ。敢えてその音楽性を Irma の音楽性とぶつけ合って新しいものを作ろうという物凄くシンドイ作業を覚悟しないなら、言葉に語弊はあるけど、彼女のアルバムでは自分の個性を発揮するというよりは彼女の音楽性に合わせて伴奏する、という微妙なバランスがあったかもしれないですね。

ピアニストの多くは New Orleans でおなじみの人たちで、おそらく Irma とは旧知の親しいプレイヤーたち。それゆえ、お互いの親密な関係性ははっきりと読み取れ、Irma の歌も、時々、ちょっと粗いまんまで一発撮り風なのもある(苦笑)。よく言えばお互いにリラックス、厳しく言えば、新しい挑戦というよりは、普段の音楽を楽しむ様子そのままな完成度なのも、なるほど、Big Easy な New Orleans 風なあり方か。
Big Easy なんて軽々しく書いてしまったが、アーマを含め、あの3年前のハリケーン・カトリーナでほとんどの人たちが家も仕事場も、場合によっては大切な人も、何もかも失ってしまったばかりの New Orleans の地。ようやく少しずつ立ち直ってきたこの時期に、こうして昔通りに再び ホーム・タウンで集まって音楽を一緒にする、ということは、私たちなんかにはわからないほどすごく大切で嬉しいことなのかもしれないな、とも思うと、ちょっとしみじみしてしまうんだけど。

と、ここまで何だかんだ書いてきてしまったけれど、このアルバム、悪くはないのである。
彼女のファンであり、ずっとその変化を追ってきて、さて現在の状態は?というようなことに異常に関心を持っている私のタワゴトなんか無視して、普通にポンと買って聴いていただくには良いアルバムの部類に入ると思う。
ということで、何だかんだ言いながら、それ以降は、アルバム・コンセプトのこととかあんまりウルサイこと言わずに、トータルの“曲”として聴いています(笑)

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1. River is Waiting (ftr. Henry Butler)
 好き。この曲の明るく南国風な雰囲気は私などはニューオリンズっぽいなぁ、なんて思ってしまうのだが、ご当地の作り手の人たちにとっては“南アフリカ風”のつもりなのだとか(笑)。こういう感覚ってオモシロイ。Henry Butlerは最近来日してるのでおなじみですね。

2. If I Had Any Sense I'd Go Back Home (ftr. Dr. John)
 この2人は、付き合いが長い、というのが裏目に出ているような気がしてしょうがない。王道といえば王道、普通といえば普通(爆)。まさにいつも通りに、っていうことなんでしょう。
とはいえ、目の前でライブで見る機会があれば、楽しいだろうなあ。

3. Too Much Thinking (ftr. Jon Cleary)
 これも常道のいかにもニューオリンズ・スタイル。作風、ちょっと簡単すぎやしませんか?(苦笑) 個人的好みとしては、せめてもう少しピアノにゴリゴリして欲しかった…。曲というよりシンプルだけど歌詞の方に面白味があるかも。

4. Early in the Morning (ftr. Tom McDermott)
 アーマは、この曲を歌う時に、カトリーナで失ってしまった彼女のクラブ Lion's Den への思いをこめたとのこと。
ただ…楽曲として、そして、このピアノとこのアレンジ…残念。私にはよくわかんない(爆)

5. What Can I Do (ftr. David Torkanowsky)
 好き。Rounderに移ってからここ数年のアーマのアルバムのほとんどに参加しているDavid Torkanowsky。この人の存在を強く意識したのは After The Rain だった。 ピアノの音の立て方/流し方が素晴らしくて、アーマのアルトの声と実によく合っているので、歌詞が素直に沁みてきて泣ける。

6. Underground Stream (ftr. David Egan)
 デビッド・イーガンが数年間温めていた曲で今回のこのアルバムで実現したのだとか。転調の繰り返しでどんどんスケールアップしていくこういうタイプの曲はアーマに向いてる。最後の転調はかなりさすがに厳しそうですが、もともと高音がフラット気味の彼女の個性の範囲内に何とかおさまった!(笑)

7. Thinking About You (ftr. Norah Jones)
 ノラ・ジョーンズは Ruler of My Heart を取り上げたこともあるらしく今回の参加に大喜びだったとのこと。初めて聴いたけどピアノは超おとなしい(笑)。そして、うーん、そうか。ノラ・ジョーンズを呼ぶとドラマーにはスティーヴ・ジョーダンがついて来るのか(笑)

8. Be You (ftr. Dr. John)
 レコーディング当日にDr. Johnの自身がカセットテープで持ち込んだ未発表曲で、元々はEtta Jamesのために書いた曲だけど、先にこの機会に録音しちゃったとか。
私には、特にアーマにぴったりの楽曲とは思えないんだがな。
次にEttaが歌っているところを想像してみる・・・これもどうかなぁ???
最後にDr.Johnが歌ってるところを想像してみたら。。。。。。ぴったりじゃん!(爆)

9. This Bitter Earth (ftr. Ellis Marsalis)
 これは大好き!鳥肌がたちます。…と、あわててライナー読んでみれば、Irma が最初に候補ピアニストとしたあげたのだそうで。やっぱり♪ この方は、あの有名なマルサリス一家のお父さん。Peter Harrisのベース、Jason Marsalisのドラムとの兼ね合いも素晴らしく、まさに珠玉の風合い。
秋という季節もあってか、#5 に続いて不覚にも思わず涙がほろり。涙の意味は違うけれどね。

10. Cold Rain (ftr. David Torkanowsky)
 これも好き。聴いた瞬間に、やはりこの人はアーマのことを本当によく分かっているのだと思う!ゴスペル・テイストのピアノの力強いのに静謐な感じは、彼女にまさにぴったりの世界であり、コーラスで広げていく効果も抜群。

11. Somebody Told You (ftr. John Medeski)
 オリジナルテイクから46年を経たこの曲を再び聴くことになるとは(笑)! キーを下げる準備もしていたらしいが、67歳にして昔通りのキーで歌った彼女はスゴイ♪

12. Overrated (ftr. Davell Crawford)
 あのIko Ikoのオリジナルで有名な"シュガーボーイ" クロフォードの孫。Piano Prince Of New Orleansのキャッチから想像されるより繊細なピアノ。ま、私の好きで聴いてきたNew Orleans音楽が古すぎるわけで、何と言っても今の活躍している人ですからね。この人自体はかなり好きなんだが、ここでのピアノはアーマの声にはちょっと細すぎ?それとも曲が違えばよかったかな。

13. Same Old Blues (ftr. Marcia Ball)
 いやー、音聴くと、いかにも仲いいですね、このお2人は。女同士の場合のリラックス仕方というのはやはりちょっと独特な感じ。ここではMarcia は歌ってないけど、実は声も時々ちょっと似てたりするんだ(笑)。しかし、Marcia、自分で歌う時よりも、今回は、結構“丁寧に”弾いてる感じ。

14. I Think It's Going to Rain Today (ftr. Randy Newman)
 Nina Simoneでもおなじみの曲で、アルバム最後にふさわしい内省的余韻。曲は正しいと思います。けど、個人的にはこういうピアノじゃなくて…(爆)

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ところで、余談だけど、Irma Thomas ゆかりのピアニストとしてまず名前が思い浮かぶのは、何と言っても育ての親ともいえる Allen Toussaint なわけだが、これには入ってませんねえ。まあ、ポジション的にも難しいだろうし、長い間には色々ありますからなぁ・・・・とこれまた余計なことにまで思いを馳せたりする私だったりして(苦笑)

もうひとつ余談、このライナーで初めて知ったファンにとっては嬉しい豆知識。
彼女のデビュー曲、Don't Mess with My Manでギターを弾いていたのはDr.Johnだったとは!ひゃーー。びっくり。 (@◇@)
思わず聴きなおしてしまいました。だーいぶ、奥に引っ込んでるけど、これかー。わはは。
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