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ディープ・ソウル・シンガーLEOの音楽日記
PERSONAL WOMAN / Rozetta Johnson ( 2007 )
私にしてはあんまりにもハイペースでライブが続いてしまっていたので、“資料”や“ネタ探し”としてではなく音楽を聴くのは、実に約3ヶ月ぶり。
その間、買ったけど聴いてないCDは30枚ほどあるけど、それは後回し。
だって、 Rozetta Johnson をまとめたCD見つけちゃったんだもーん!
今月出たばっかりらしいです。1970-1975年のclintoneレーベルでの録音コンピ。

PERSONAL WOMAN / Rozetta Johnson ( Soulscape 2007 )

初めてソウルを聴き始めた頃、“教科書”として指定されていた(笑)オムニバスLP、Soul Deep vol.1でHolding A Losing Handの歌声に惚れ込んで以来、オムニバスCDなどで名前を見つけるたびにちょこちょこ集めていた Rozetta Johnson 。 これほどまとめて聴けるなんて嬉しい。そういえば、2年前にブログ書き始めた頃、HOTLANTA SOUL Vol.1〜3に散りばめられた彼女の曲をせっせと買い集めながら、『どうせなら、こんなにチョビチョビと散らさないで彼女の曲を1枚のCDにまとめてくれ!』と吼えた覚えがあるが、願いが天、いやUKに通じたか。叫んでみるもんだ(笑)

ちなみに、このCD、見慣れたgrapevineのロゴマーなのに、Soulscape という聞いたこともないレーベル名。ありゃりゃと思って調べたら、今年の6月、Grapevineグループ傘下にvintage soul専門に扱うレーベルとして新しくできたそうです。男性モノには手を出す余裕がないので気になりつつも放っておいたBill Brandon、Tony Bordersもここから出てたのね(汗)。

ジャケット・デザインは悲しいほどチープ。ジャケ写真、やや不鮮明とはいえ、以前、Hotlanta Soulに出ていた写真と印象大分違うけれど、わりと最近のものでしょうか。 Rozetta Johnson さん、さっぱりとして気持ちのよさそうなオネエさんですね。
加えて今回のライナー、 Rozetta へのインタビューを元に具体的なエピソードが多くてめちゃくちゃ面白かった。正直な発言続出で、笑いました。以下抜粋しつつ。


Rozetta Johnson は、アラバマ生まれ。本来は「s」の入った Roszetta (そういえば、Hotlanta Soulのvol.3では、「s」入りの Roszetta Johnson のクレジットになってましたっけ)だが、誤記が多いため、 Rozetta に統一されたとのこと。
幼い頃、両親が離婚、牧師の祖父と熱心なカトリック信者の祖母の下で育てられゴスペル音楽に囲まれて育ったが、17歳の時にアラバマの“都会”バーミンガムへ出る。ある日、そこの401クラブで Mitty Collier が歌うのを見て、『私だって同じくらいうまく歌えるわ』と支配人を説き伏せて、オーディション代わりに歌わせてもらったのが唯一知っていた Over the Rainbow。正式に採用され、401クラブで、ジャズのスタンダード曲からアレサのヒット曲などを歌い、グラディス・ナイト、ジョニー・テイラー、カーラ・トーマスなどの前座も務めた。
1st シングルは、 Rozetta Johnson & the Organettes 名義の Understand My Man / Willow Weep For Me ( NRC /1961)、続いて、The Hurts / It's Nice To Know (Jessica / 1965 - 後にAtlanticからリリース - The Girls Got Soul - 写真右- に既収)
401クラブで名声を確立していった Rozetta は、1970年にShowtimeプロダクションのJess L.Lewisに認められ、傘下のClintoneのレーベルから、6枚のシングルを出すことになる。それが今回の1〜12で、Clintonでの6枚のシングル盤両面がリリース順に配置されている。

2、4、6、7、8を初めて聴きました。そして今回の未発表曲は14、15、16。(13については、Hotlanta Soul(KENT/1988)に未発表曲として既収)。ただし14.You Better Keep What You Gotについては、今年7月に2.Mine Was Realとのカップリングでshotgun shotレーベルからシングルが先行(?)リリースされているとのこと。7、8(4枚目のシングル)以外は、すべて Sam Dees がプロデュースに関わっている。

Clintoneでの1枚目となる1と2(1970)。慣れないせいなのか、まだ若いのか、全体的に歌は軽く、語りもぎこちない。アレンジャーDan Warrenの『もっと黒く歌えんのか?』のダメ出し連発で、疲労困憊するまで歌わされたとか。さすがアラバマというお土地柄(笑)。そんなエピソードを聞いちゃうとNGテイクがどんなだったのか是非聴いてみたいものだ。
1は後半の2回目転調あたりからちょっと生き生きしてくるがキーの問題だろうか。2はそれよりは勢いがいい。

2枚目シングルは3と4(1971)。バラード物+リズム物のカップリングが効を奏してビルボードで45位に。
3は、実にうまく出来ている曲で、歌詞がストレートに入ってくる。ヒットするのもなるほど。『おはよう、あなた。昨夜は眠れたの? 昨夜は何時に帰ってきたの?もう決めてほしいわ。誰を愛していくつもりなの。』。その“誰”という部分のWho-----が耳に残る。がはは。笑う曲ではないのだが、笑ってしまった。こういうストーリーは彼女に向いているのだろうな、と思う。
4はシンプルな8ビートだが、気持ちよく聴けてなかなかいい感じ。ただし、この曲、もとの録音がそうなのか、このCDでの編集がそうなのかは不明だが、フェイドアウトが速く終わり方がかなり唐突。ちなみに、Hotlanta Soul vol.3 にも収録されている曲たちを比べると今回の編集盤、ちょっとずつ演奏時間が短いです。

3枚目シングルの5と6(1971)。同じく黄金のスタイル、バラード物+リズム物のカップリング。
5は聴きなれてるせいかやはり一番安心する。3と同様、“不実な男に対して泣き寝入りしない”ストーリーは彼女に向いているのだと思う。
6は、曲はチープだけれど、こういうリズム物での Rozetta の元気の良いシャウトぶりはなかなかいい。401クラブでアレサのカバー曲をよく歌ってたという様子が思い浮かぶ。今までそういうイメージはなかったが、こういうのを聴いていると、案外60年代後半のR&B曲が似合う人だったのかもしれないとも思えてくる。

Sam Dees が関わっていない4枚目シングルの7と8(1972)。両面カバー曲で、 Rozetta 自身は大して気に入っていなかったらしい。
7は Bee Gees の曲で、かなりたくさんの人がカバーしている名曲。歌は悪くはないとは思うのだが、アレンジがオリジナルのものから大して工夫もされていないこともあり、カラオケでとりあえず歌っているような印象も。
8はアレサのカバー。 Millie Jackson の中途半端なファンク Strange Thing みたいな印象だが、私は案外こういう曲は好きなタイプ。6と同様、この曲の歌い方にもアレサの影が見られる。

5枚目となる9と10(1972)
このCD、こうして曲をリリース順(ほぼ録音順?)に聴いてくると、9ではかなり声に余裕と貫禄が出てきたのがよくわかる。かなり自由に歌えている感じだし、語りも1とは雲泥の差の自然さ。
ところで Rozetta は10については、自分が吹き込んだことを覚えておらず、401クラブのバックコーラスの誰かが歌ったものではないかと言っているそうな。そう言われてみると声の調子とかも確かに別の人にも聞こえないでもない。よりによってそんな曲をCDのタイトルに選ぶのってどんなものなんだろうか(笑)。

最後の6枚目シングルであり、唯一A面がバラードでない11と12(1975)
11は、 Sam Dees が George McCrae の Rock Your Baby に触発されて作ったアノ曲。後(1978)にGwen McCraeが歌ってヒットさせるが、このライナー読むまでこっちが先だったとは知らなんだ。期待に反してヒットしなかったらしいがバックがあまりにチープなせいか。歌は好きだけれど、思うに Rozetta ってあんまり男性を甘く誘うような人ではないのだろう。後半、I like it! I like it!と連呼してる部分にはちょっと苦笑。いや…そんなに力説しなくても…。
Sam Dees に加え Fredric Knight をプロデュースに迎えた12のバラードはすばらしい!今回聴いた中で一番好きかも。曲も素晴らしい。

1〜12がほぼ録音順だとすると、わずか5年という短いレンジだけど、彼女の声も歌い方もかなり変わっており、それから類推するに、13は声も太くなっているしわりと後の方の録音ではないだろうか。声自体は悪くなく、少し迷いながらではあるがわりと自由に歌えているものの、アレンジがチープすぎてデモ・テイクみたいな仕上がりでちょっと悲しくなる。何といっても Sam Dees が弾いてるらしきキーボードがあまりにヘタすぎ。とはいえ、こんな風に曲を作っていたのか、という意味では、曲の原型をみたようで興味深かったけれど。
14は Sam Dees + Frederic Knightプロデュースとなっているので、12と同時期の録音かもしれない。歌にかなり勢いがあり、カッコイイんじゃない?シャウトしまくりだが最後まで歌い切れている。
続く15は1と歌い方が似ていて少し線が細い可愛い子ぶりっこなのでごく初期の録音か。
16は、タイトルから見ても The Temptations の Papa was a Rolling Stone に触発されたようなサウンドの曲だけど、なかなか面白い。このトーンでの歌い方はこの曲のみなのでいつ頃の録音かわからないけど、このくらい力抜けた曲を他にも聴いてみたかった。でも、この曲もバックのサウンドはチープでもったいない。

1975年の6枚目が最後の録音となってしまった Rozetta 。音楽業界での経験に対する不満は強いらしく、『プロモーションがよければもっと売れたはずなのに会社は全然面倒を見てくれなかった。せめてもっとツアーができればよかったのに。シカゴかデトロイトとかに行けばよかったわ。』とコメントしているらしい。ご不満もごもっとも。確かに、こうしてまとめて聴くと、手抜きなのかミュージシャンのセンスが悪いのか、バックのアレンジにもお金がかかってない安直な感じの曲が多くて、あんまり会社に大事にされていなかったのかも、と思うと実にもったいない。
とはいえ、その後、 Rozetta は4人の子育てをしながらアラバマ大学で学んだ後、教職につきながら、週末は教会や地元のクラブで歌い、『音楽はパートタイム、でもお金が全てではないし音楽に携われることこそが幸せ』と言っている。2003年に仕事をやめてからは、日本にもゴスペルグループのメンバーとして来日したとのこと。また現在はジャズ・クラブでダイナ・ワシントン、エラ・フィッツジェラルドなどのジャズ・スタンダードを歌っているそうだが、年月を経て円熟したであろう現在の彼女の歌も是非聴いてみたいものだ。


1. A Woman's Way
2. Mine Was Real
3. Who Are You Gonna Love (Your Woman Or Your Wife)
4. I Can Feel My Love Comin' Down
5. Holding A Losing Hand
6. Chained And Bound
7. To Love Somebody
8. Can't You Just See Me
9. How Can You Lose Something You Never Had
10. Personal Woman
11. (I Like Making That) Early Morning Love
12. It's Been So Nice
13. I've Come Too Far With You (To Turn Back Now)
14. You Better Keep What You Got **
15. For That Man Of Mine *
16. Mama Was A Bad Seed *
Ann Sexton 今年のライブ映像!
はいはい。前回同様、マニアックな話題なことはわかっておりますが、いずれ、私と同じくAnn Sextonのファンの方のお目にとまって喜んでいただけることをお祈りしつつアップしておきます。
かくいう私も、ある方から教えていただいて、彼女がまだ健在なことを知り、狂喜したところですから。幸せは分かちあわなくちゃ!(*^−^*) 今度はご本人登場です!

Ann Sexton といえば、「The Beginning (1977/Sound Stage Seven)」、日本編集盤の「Loveing You, Loving Me (1978/Vivid -日本編集盤 :右)」、が出た後は、消息をとんと聞かなくなっていた人。UKでの人気が根強かったらしく、Charlyからぽつぽつと上記2枚に含まれない曲も入ったコンピCDが出るたびに落穂拾いのように買っていたが、2004年にUKの雄、Soul Brother から総まとめともいえるAnthologyというコンピCDが出て、久々に大々的に脚光を浴びた。(アルバムはコチラ

そのいかにも南部っぽくあたたかいバラードは心地よく、一方でファンキーな曲も実にカッコよくて、私の好きなシンガーの5本指には入る。
そして、これまで公表されている写真があまり多くなかったこともあり、常々、是非、動くAnn Sexton を一度見てみたいと思っていたのだ。

さて、映像は、2007年3月23日〜25日にドイツHamburgで開催された
Baltic Soul Weekenderhttp://www.baltic-soul.de/)に出演した時のものらしい。

まずは、主催者側が出している画像も綺麗なイベント・ダイジェスト版をどうぞ

◆Baltic Soul Weekender Part 1 06:28
やはりAnn Sextonがこのイベントの目玉だったらしく、最後(4:47〜)に、わりと長めに収録されています。イントロ I Had A Fight With Love、そしてColor My World Blue 。ひゃーー!あの声です! そして驚くことに、キーも原盤通り!ご本人も、観客の熱狂ぶりがよほど嬉しかったのか、涙ぐむ一瞬も。
インタビューでは『 最初は皆が私のことを知ってるのか不安だったけれど、私のことを愛してくれてるのがわかった。来年か再来年、また来たい 』、と仰ってます。ううーー。是非、日本にも!!!!! 冒頭付近では、Marva Whitneyとの2ショットも一瞬。




=== そして、一般人からの投稿。例によって画像は悪いけど、それでも貴重! ===

◆Ann Sexton live Intro Baltic Soul Weekend 01:12
 intro: I Had A Fight With Loveにのせて登場、熱狂するファンにご挨拶
 そして、Color My World Blue ♪


◆Ann Sexton live - You´ve been gone too long Baltic Soul 02:52
 You've been gone too long♪


◆Ann Sexton backstage Baltic Soul Weekender 00:45
 終演後のバック・ステージで。
 興奮して嬉しそうな感じがカワイイです!


◆Ann Sexton - You've been gone to long - live 01:46
 同じくYou've been gone too long♪


◆Baltic Soul Weekender Part 2 05:59
 オマケ。1:21〜1:38、3:27〜3:30に、短いインタビュー・シーン。

Bettye Swann の曲を…! / Tammi Lavette
 愛しの Bettye Swann 様がどんな姿で歌っていたのか、常々知りたいと思っていた。これまで、写真などを見ながらあれこれ想像してみたものの、どんなたたずまいで、もっと言えば、どんな動きをしてどんな角度でマイクに向かい、どんな風に声を入れているのか、とマニアックな想像は膨らむばかり(笑)。第一、彼女の歌は、そもそも家でじわーっと聴くもので、人が大勢いるホールやクラブなどの場所で生で歌うことで、果たして Bettye 様がどのような空間を作っていたものか、ちょっと想像することができないのである。

 普段は、キリがなくハマるのを恐れることもあって、インターネットで音楽映像を漁るというようなことはしないのだが、先日のChuck Brownの映像探しのついでに、ふと、youtube で検索してみようと思い立った。
Bettye Swann” でヒットしたのは1件。『誰ソレ が歌う Bettye Swann の名曲』、と出た。
なーんだ、本物じゃないのか…と思いながら、まあ、それでも一応見ておこうと思ったら、ちょっと驚きました。

 前置きが長くなったが、こういった経緯で発見したのが、今回ご紹介するTammi Lavetteという人。
まずは映像をご覧下さい。

◆Kiss My Love Goodbye
  (Bettye Swann のカバー)

 出だしのイントロから 『おおぉぉぉ! 』。
 Bettye Swann 様のAtlantic盤のアレンジを由緒正しく踏襲している!何やらはにかみながらも、ひょこひょこ動く姿もちょっと古っぽくてなかなかよろしい。
 そして、肝心の歌が、予想以上に良かったのだ。他にこういうタイプの人はそうはいないと思っていた Bettye Swann の路線をちゃんと継承しているではないの。キーはBettye様より半音低いが、テンポはちょっと早めにして、軽すぎず、それでも可愛らしく軽やかでしっとりとしていて、バランスがとてもいい。

 驚いて、もう一度、今度は正式に(笑)Tammi Lavette の名前で、検索し直し。
もう1曲出て来ました。今度は、Dear Lover。もちろん Mary Wells のカバーです。

◆Dear Lover
  (Mary Wells のカバー)

 こちらも Atlantic のテイクが下敷きになっている。 Mary Wells の…とくれば、ついあの野太い独特の声を期待してしまうが、Tammi はあくまでも可愛らしく少女らしく(?)。でも、この曲ならこういうのも十分アリかな、と。こっちの映像は、かなり、口パクがちょっと気になってしまうが、プロモにありがちな“しぐさ”を作りすぎている1番はともかく、2番のAウタからサビまでの感じはとてもいいですね。

 余談だか、上の Kiss My Love Goodbye の映像と比べると、こちらの Dear Lover の方の映像は、かなり編集でつくろっている様子はありますが、口パクながらも歌に集中して部分と、周囲からの指示でもあるのか、歌から気持ちが離れて気が散っている部分との差がありすぎ(笑)。私にとっては、歌っている人の表情の映像は、おでこからアゴの先まで(時には喉のあたりまで)含めて、その人がどんな息遣いで、どんな筋肉を使って声を作っているか知る手がかりなのですごく貴重なのです。もうちょっとストレートに見せてよ、と思いました。


 他に、以下の3つのプロモ用らしき映像も。(小さくてゴメンナサイ。大きく見たい方は、映像右下の“YOUTUBEロゴ”をクリックしてYOUTUBEサイトでご覧下さい)

Seven Days - DVDボックス " The Strange World Of Northern Soul (1999年7月) "のテーマ曲とのこと(それにしても、“Strange World” とは何と言うタイトル!/大笑)。これもいかにもノーザン・ソウルっぽいパーティー・ソング。けっこうがんばって歌っています。時々、顔に似合わずオトナっぽい声を使うのでハッとします。
彼女がこのプロデューサに見出されるきっかけとなったBlackpool Mecca Reunion in 1998でのステージ・アクト・シーンも。

No Frills Love - Jennifer Hollidayのカバー。そういえば、こんな曲ありましたね。

Too Much Too Late - Rufus Doors というグループの1990年代初期のあんまりヒットしなかったシングル曲かららしい。えーと、ここらへんまでくると、私にはあまりよくわからない曲調なので、コメントはパスです。

Seven DaysNo Frills LoveToo Much Too Late


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Tammi Lavette 。NY出身、現在は英在住。
本名 Tamla Dhani (Tamla Ballとの記載もある)。
他に、芸名としてTamla Tyrrell も候補にあがったとのことで…
さすがUKノーザン・ソウル・シーン(大笑)
WE'RE ABOUT THE BUSINESS / Chuck Brown (2007)
 Chuck Brown   Chuck Brown さま、御歳いくつになられるのだろうか。公式には生年が発表されておらず、よくわからないのだけれど、2002年に出た DVD 「PUT YOUR HANDS UP! - The Tribute Concert To Chuck Brown 」 が67歳のお誕生日お祝いライブだったハズなので、もう72歳!? 73歳!?

 と、細かいことはまあ、いいとして、70歳過ぎの人がアルバムを作る。それも、昔からずっとやっているブルース・マンとかを発掘してきてその集大成を記録する、という種類のアルバムではなくご本人自らが、新しいコンセプトでアルバムを作ろうというのだ。まず、それだけで普通ではないことで、いったい、現在どんなことになっているのだろう、と興味津々だった。
 大ファンなので、買い逃しちゃいかん、ともちろん迷わず予約購入。予定日にはちゃんと届いてすぐに聴いたものの、以来ずっと時間がなくて、今回、ようやく約1ヶ月遅れでのご紹介です。

WE'RE ABOUT THE BUSINESS / Chuck Brown ( Raw Venture 2007 )

  Chuck Brown といえば、 Go-Go Funk の Godfather であり、ライブ・パフォーマンス命の人であったし、ライブ録音がメインで来た人だ。それが今回は、何と、スタジオ録音盤!!!!!!!
 ジャケット背景にもしっかりと映っているプロデューサーの Carl "Chucky" Thompson は、近年のR&B〜ヒップ・ホップのプロデューサーとして有名な人で、TLC やメアリJ.ブライジなどのプロデュースも手がけている。DC 育ちということで、おそらくティーン・エイジャーの頃は Chuck Brown & Soul Searchers の音楽を浴びるように聴いて来たのだと思うし、自ら、ドラム、ギター、ピアノ、ベース(エレキ/アコースティックとも)そしてトロンボーンまで演奏するマルチ・プレイヤーでもあることから、今回は、ドラムとホーン・セクションのゲスト・プレイヤーを除いては、ほとんどの曲を Chuck Brown と二人三脚で録音している。今やプロデューサーとして実力を積んだ Chucky Thompson が、自分の往年のアイドル Chuck Brown の音楽を今の流儀でプロデュースさせてくれ、といった位置づけだろうか。 Chuck Brown が Hip Hop の Grandfather とも言われることから、御大自らそちらのフィールドにも直接踏み込んでみようということで Chucky のプロデュース力を借りたのかもしれない。

 さて、そのサウンド。これまでの Chuck Brown の特徴である、ボトムのビートが強いバンドでのサウンドを期待すると、特に、アルバム前半はちょっとスッキリしすぎ(笑)で軽めと思うかもしれないけど、確実に新しいスタイルを試してみようとしているのは確か。新しい、と言っても、打ち込み/サンプリングをあまり使わずに、特に Chuck の音楽の特徴であるホーンやコンガなどは、ちゃんと生の楽器で入れているのも嬉しい。

 スタジオのインターコムからそのまま聞こえてくるような臨場感たっぷりの Chuck の前置きの喋り(1)があった後、いきなり始まるのは…。
 ・映画・ゴッドファーザー〜愛のテーマ〜 私たちが、まさにこれまでの Go-Go の熱っぽいサウンドとは違って、クールな Hip Hop 仕立ての Chuck Brown に初めて出会う瞬間で、これまでの Chuck Brown を知っている人はちょっと驚くだろう。彼がこういう時代がかったような曲を好むことは知ってはいたものの、少なくとも私は、『ありゃ。』と思いましたデス。Chuck の嗜好の一面であるジャズ・テイストのギターがメインのインストだが、音を聴けば、間違いなく力抜いて座って弾いてるね。そのモードがまず驚き。同じ部屋のすぐ隣で、さりげなく弾いくれてるような感じ。バックで繰り返されるキーボードのパターンとホーンの柔らかいサウンドに裏打ちされて哀愁をおびたマイナー調の曲が流れる感じなどは、Wyclef Jean の世界にも似てるなぁ。この感じは聴いてるうちにはまる。
 ・Block Party Chuck 以降の Go-Go シーンでの人気ラッパー DJ Kool をフィーチャー。気の知れた者同士でのご近所パーティーでわいわいやってる雰囲気の効果音なども入れてるところは Soul Finger みたいで、なかなかワクワクする出だし。またこの曲の基調となってる2コードのバック・パターンでは、The Drifters の On Broadway も思い出した。ここらへんの重厚な古っぽさっていうのは、Chuck によく合っていて私は好き。
 ・Eye Candy DC 育ちの R&B シンガー Raheem DeVaughn をフィーチャー。かの Jaco Pastrius の Liberty City のサンプリングを使用しているが、 Go-Go スタイルを保ちながらも、かなりソウルっぽい印象に仕上がっているのは、ソウル色の強い Raheem DeVaughn が加わっているせいか。コーラス・アレンジなどスライ&ファミリー・ストーンの雰囲気もちょっとあってよい感じ。
 ・Chuck Baby 娘(多分。曲中ではそう言ってる)の KK のラップをフィーチャー。パーカッションをメインに据えたサウンドでKKのラップで始まった時は、フツーの Hip Hop 曲の感じの域を出なかったが、Chuck の歌が始まった途端、なかなかいい曲だな、と思った。ただし、何故か、Chuck 自身の歌がこなれてないような気がするのは私だけか。言葉運びというか、今ひとつ慣れない歌詞を読みながらキチキチ歌ってる感じ。この曲、Chuck がもっと歌い慣れて(←大ベテランに向かって失礼な話だけど/汗)、いつも通りもっとルーズに(?)言葉をころがすようになったら、リズムやサウンドも面白いし、フックもえらくキャッチーだし、すごーく 好きかも。私的にはかなり惜しい!

 と、ここまで聴くと、Chuck への短いインタビュー( interlude )。後にも出てくるが、これがまたね、今そこで Chuck が生ゲストで喋ってるラジオを聴いてるような気がして、ファンにはちょっと嬉しいのよ。すごく近くにいるような気がする。ここでは、『何かトラブルがあったときにはおかしなことを言って皆を笑わせたりしてさ、楽しくさせるのが好きなんだ。俺は peace-maker さ!』

Jock It In  アルバム中盤となるこの曲はこれまた、マイナー曲調の Wyclef 風アレンジだが、この曲では、Chuckが馴染んできたあの緩いテンポでの Groove が復活。
Feeling' Good 曲の構成とアレンジは何だかとりとめないような感じであるが、Chuck の歌自体はのびのびしていて彼らしい。ようやく聴き慣れた Chuck の歌が登場してきた、という感じ。でも、Sax がチガウんじゃないの?っていうのが私見(スミマセン)。

We Come To Party  interlude (9)で、昔、在籍していた Los Latinos というラテン・バンドについて問われて『コンガやパーカッションが気持ちよくてさ!』と語った後、登場するこの曲、私は、今回一番気に入った。ラテンとファンクの融合したようなこの手の曲に、私はかなりスッポリとはまってしまう。Chuck が得意技としてる低音もピッタリだし。実は、Afrique の Soul Makossa にとてもよく似てるけど(笑)、これからは、この種の曲としては、Soul Makossa 聴く代わりにこっちを聴いちゃうかもしれないなぁ。

 ここで、後半を前にもう一度 interlude 。『もし、神様が、他の音楽は全部消えてなくなるとして、1つだけ音楽のジャンルを選んでいいと言ったら、どのジャンルを選ぶ?』の問いに対して、Chuck の答えは『 Blues。 』。そうか…。若い頃は、ジャズやラテン・バンド、はてはジェリー・バトラーのバックまで努めてきた Chuck だが、ギタリストとして一番身近にある音楽として最後に選ぶのはやはりブルースかもね。ということで、11曲目には…

Everyday I Had The Blues  Soul Searchers 時代には、 Go-Go での Stormy Monday Blues は定番だったけど、今回のは、普通の(?)ブルース・スタイル。他のブルース・マンたちと比べてどうか、というのは問わないことにするけど、私は彼のこのちょっと歪ませたギターは好き。ところで、ふと、気づいてメンバー・クレジットをみたら、この曲だけは、ゲスト・ベーシストが投入されていた(笑)。プロデューサーの Chucky Thompson はベースも弾くとのことだったが、Hip Hop 系の彼には普通のブルース・スタイルのベースはダメなのかな…と想像できて、ひそかに笑う。
 そして、ここから最後までの3曲、Party Roll、 Sound for the Town interlude 、 Funky Get Downは、録音の仕方は多少違うものの、いつもの Go-Go と言ってもいい安心して聴ける Chuck Brown 。この3曲は今まで通りの形式のライブでもそのまま使えそう。言葉使いも含め、歌が実にのびのびとしてて自由自在、貫禄も余裕もたっぷり。特に、最後の Funky Get Down は、Chuck が今もまったく変わらずに現役で、しかも今だに絶頂期の水準をキープしていることを感じさせてくれてすごく嬉しい。“これまでの路線の中での新曲”のベストとしてはこれ!

 と、ひととおり聴いてから、見渡すと、なるほど、 interlude で区切りながら、新しいアレンジ→元の Go-Go という順に配置されてるアルバムなのね。で、曲のクレジットを眺めてみると、私が“いかにも Chuck らしくてのびのびしている”と感じた7、8、13、14、16は全て Chuck Brown が筆頭クレジットとなっている。その他の曲のほとんどは Chucky Thompson によるもの。そのニュアンスを嗅ぎ取れた自分が、ファンとしては密かに誇らしかったりして。してやったり。ほほほ。(高笑い)

 そういえば、80年代のライブLPの体裁なんて、現場一発録りのブートっぽいものだったし、1994年の Hah Man までは、CDでもライナーもないそっけないものという感じだったが、お歳を召してきたせいか(笑)、2000年以降のアルバムでは Chuck は謝辞とファンに対するメッセージを寄せるようになった。今回のは、『 今なお、ステージで演奏したりスタジオで音楽製作に取り組めるとは本当に幸せだと思う。40数年にわたり支えてくれたファンの愛情にも感謝している。』というもの。40数年、いや、ホント、すごい年数ですね。重みを感じます。私はその半分しか聴いてないのか、と思うとちょっと悔しいけど。

 さて、公式ホームページ http://www.windmeupchuck.com/ も、いきなりこの新譜のジャケ・デザイン様に一新されてお洒落になっちゃってるし、スケジュール欄を見れば、今でも現役でかなりお元気なのがわかるしで、今回の新譜製作を機に、気持ちも盛り上がってるとみた。この新譜のプロモーションもあるだろうが、私としては、スタジオ盤用に仕上げた曲を生の現場ではどう扱うのか、さらに知りたいところ。実は、Raw Venture のことだから、そのうちに、またまたそんなライブ録音をサクッと出してくれると睨んでいるんだ。楽しみです。
 そして、とにかく、私の願いはただひとつ。
『次作をお待ちしています。お元気でいつまでも Go-Go し続けて下さいませ!』


※ Chuck Brown 関連の記事、コチラもどうぞ。
The Soul Searchers の出発点 !  

★★ 試聴可 : CD写真をクリックして下さい ★★

《WE'RE ABOUT THE BUSINESS》
1. Chuck Town Intro  2. Love Theme [From The Godfather]  3. Block Party  4. Eye Candy  5. Chuck Baby  6. Peacemaker interlude   7. Jock It In  8. Feelin' Good  9. Latin interlude   10. We Come to Party  11. If You Had to Pick One interlude   12. Everyday I Have the Blues  13. Party Roll  14. Love Nationwide  15. Sound for the Town interlude   16. Funky Get Down

※ 追記: Chuck Brownの最新映像を追加しました コチラ ↓
Chuck Brown 最新映像
ちょっと前までは、昔のSoul Searchers時代の映像しかなかったけど、今見に行ったらさすが新譜発売の時期。
YouTubeにごく最近の映像が上がってました!
新譜発売直後の5月17日、地元DCでの街頭ライブに遭遇した人の映像みたいです
(新しいアルバムについては、コチラ
こうしてみると、結局、新曲もいつものスタイルで演奏されていることがわかりました(笑) 。
それにしても、Chuck Brown、若いです。本当に歳とってるのか疑いたくなります。

CHUCK BROWN-DC LOTTERY-5-17-07
♪Chuck Baby


♪Eye Candy



◆2007.5月放送らしきTVインタビュー◆
 インタビュー、ライブ映像、スタジオ風景から、家庭での様子まで!